2010年 秋・冬
嗚呼、憧れのこたつ猫生活。
まず考えたのは、
・製作費をかけたくない。
・使うのは冬だけなので組み立て分解、再組み立てができること。
・分解後、できるだけ収納場所を取らないようにする。
・スペース内にはPC一式、デスク、ベッドも入れたい。
問題になりそうなこと:
・内部壁面の結露。
・保温がどこまで保てるか。
・酸欠度合い。
・材料の中に揮発性有害物質があるかも。
これらの懸念事項は、
【換気をどの程度行えば良いのか】が大きく関わってくる。
設 計 (四畳半内設置)
当初、ダンボールを2枚合わせにし、その間に空隙を設け 壁にしようと考えたが、
強度的に不安が残るのと、確実な保温性を求めスタイロフォームを挟んで壁を作ることにした。
準 備
【 材料】
・ダンボール(910mm×910mm×5mm厚)48枚
・スタイロフォーム(1820×910mm×25mm厚)10枚
・アルミホイル(450mm巾×30m)3本
・粘着テープ(50mm巾×25m長)たぶん10数巻
・両面テープ(8mm薄手のもの)5巻
・床面に敷く物(任意)
・ドア材 ツーバイフォー角材 6本
・ふすま(開き戸タイプ)・・・有り合せ
・ドア下支え用、棚板アングル
・ドア枠固定用、L字アングル
・換気扇用、PCファン&DC電源(12V)
【道具】
・カッター
・ハサミ
・ホッチキスと針
・タッカーと針(100円ショップの物で充分)
・電動ドリル&ドライバー
今回使うダンボールとスタイロフォームは調べた範囲内ではホルムアルデヒド系の揮発性有害物質は含まれていない。
単純に臭いを感じるのは粘着テープ。
時間が経てば薄れてゆく臭いなのですが、今回は使うしかないので粘着物質の有害度は見てみないふりということで。
製 作 1
ダンボールの縦目方向と直角の天地に両面テープを貼る。
天から地に向かいアルミホイル(450mm巾)を貼る。
2列目も貼り、ホッチキスをタッカーのように用い、数カ所を浮かないように留める。
ホッチキスは開いて、アルミホイルに這わせるように密着させプッシュする。
スタイロフォームの中ほど帯状にアルミホイルを巻き、5cm角程度の当て紙の上からタッカーで仮留め。
ダンボールは縦目が通る方向で並べ、スタイロフォームをダンボールで サンドイッチ。
布粘着テープで固定する。
外周も写真のようにテープを貼る。
(後々分解、再組み立てが容易にできるように)
製 作 2
換気扇(内側)
換気扇(外側)
吸気口
製 作 3−1
2×4(ツーバイフォー)、1インチ厚の部材を使用。
手持ちの襖(ふすま)を流用。
足元は、棚受を逆向きにして使う。
両側から棚受で固定。
- ふすまの断熱加工 --
アルミホイルを貼ったダンボールと、ふすまを貼り
合わせる。
このときあらかじめ、貼りあわせたときにできる
内側空間にアルミ蒸着保温シートを詰めておく。
製 作 3−2
ふすまを断熱加工したところ、蝶番がふすまの重さに耐えられなくなり開閉がスムーズゆかなくなりました。
そこで比較的廉価なアルミフレームのトイレ用ドアに変更しました。
組み立て
ドアの左面から、ドア枠を足がかりにして右回りに、粘着テープで固定してゆきます。
(ふすまドアの写真ですが、この後アルミ枠ドアに変更しました。)
左壁と、次の壁の2面を固定したら天井面を乗せます。
残りの右壁と正面壁の2面を囲い粘着テープで固定。天井位置を調整します。
部屋の内側から各合わせ目に粘着テープで貼ってゆきます。
全体の各角面や辺の合わせ目にすき間ができないよう粘着テープを念入りに貼ってゆきます。
内 装
床材は安価なビニール製のクッションフロア。
刺激的な薬品臭が強いので2週間ほど外で干し、臭いを飛ばす。
クッションフロア下はアルミホイルを貼ったダンボールを敷き詰めた。
換気ファンの扉は加工の容易なプラダンを使用。
扉はマグネットラッチを使い、プラダン側の磁石はホットメルトで固定。
備 品
VGAモニターはMacBookのサブディスプレイとして使用。
【CO2モニター 】
今回の人体実験のキモ、果たして居住環境として許容範囲にあるか否かは、
この測定値にかかっている。
【温湿度計】
結露する可能性は気温と湿度のバランス次第。
上に乗っているデジタル温度計のセンサーは、ダンボール壁の外に出してある。
ダンボールハウス製作当時:寝る時だけ持ち込み、日中は4畳半の外、南窓際で日光乾燥。
経 過、考 察
2010年12月にダンボールハウス居住開始。
およそ5年後の2016年1月このサイト(現ページ)を作成。
ということで・・・そこそこ生きています。
この環境が原因での体調不良ということはないです。今のところ。
シーズンオフにダンボールハウスを解体するズクがなかったので、組み立てたまま5年が経ち現在に至っています。
そして 経年変化で若干問題がおこりました。
天井が中央で落ち込んできました。対策として園芸用の支柱を一本 長手方向に差し込んで落ち込みが進行するのを防ぎました。
次に製作するときは天井にT字型の当て板をし、照明もここから下げられるようにしようと考えました。
当初、課題の中で問題として取り上げた件について。
【内部壁面の結露】
↓
起こりませんでした。
冬場は室内湿度が常時40%以下、気温は20度±2度、断熱が効いている、ということが影響しているのではないかと思われます。
【保温】
当初は250w ←→500w切り替えハロゲンヒーターで、ダンボールハウスの外の温度が摂氏5度以下の時、500wにしてしばらく温め、室内気温が22度くらいになったら250wに戻す。ということをやっていた。
現在は、200w←→400wの電熱ヒーターを使用。
ハロゲンヒーターは直接放射温度が高くて狭い室内では使いにくかった。電熱ヒーターのほうが熱が柔らかい。写真【8】
厳寒期でも400wまでは必要ないことが多いので、150wの遠赤外線足元ヒーターを併用して、より細かい温度管理をしている。
秋の終わりから初冬はこの足元ヒーターだけで充分。
【換気(酸欠度合い)】
これが、最大の問題点だったのだけれど、はじめはCO2モニターを置き 常時監視。
その結果、理想的には1時間 閉めきったら 15分換気というペースがベスト。
次善策として「常時」吸気口と換気扇扉は開けたままにして1時間に5分程度 換気ファンを回せば、命に別条はないだろうという感じになった。
(この辺は全自動にしても良いのだけれど、まだ面倒に感じたことがないので手動でやっています。気分が乗ったらそのうち自動化するでしょう。)
【気がついたこと】
レベルは低いのですが、低周波(重低音)が壁面を響かせることがあります。近くに工場があるのですが、夜中にそこで動かす動力の振動が地を這い、箱鳴りを起こすのではないかと思います。
国道に近い環境でダンボールハウスを作った場合、大型トラックで同様なことが起こる可能性があります。
それと、航空機です。上空を通り過ぎるときに、壁が同期する感じで響くことがあります。
そして:寝る前に15分換気して、起き際に15分換気というペースで5年が過ぎました。
【 2010〜2016年 】
我が家の光熱費:
ガスは、使わなくとも基本使用料を徴収されるので契約解除。
灯油はシャワーを浴びるときのみ使用、年間 18L : 2本。
厳寒期(1〜2月)の総光熱費はほぼ電気代のみ、月7000円前後。
(2016年は常時使うPCモニターを135w/hから、30w/hに変更したためか、6200円/月で推移しています。)
居住者(本人)1名。
ダンボールハウス居住開始当時の厳寒期月間灯油消費額は15,000円と記されています。
これにプラスして電気料金とガス料金が5年前の総光熱費でした。
註)
当地は、厳寒期の日中、日陰では最高気温が氷点前後までしか上がらないこともある。
水道凍結防止帯のヒーターがONになりっぱなしという日も少なくない。
これが、けっこう電力消費量を押し上げている。(節電器が効きにくい)
ちなみに、過ごしやすい季節の電気代は 月2500円〜3000円弱です。
我が家にもスマートメーターが設置されたので、ネット経由でよりきめ細かい消費電力モニターができるようになりました。楽しみです。
このレポートのラストに写真を載せましたが、真冬の湿度は30%台が普通です。
「火気 絶対厳禁」
最後に:このダンボールハウスは2畳そこそこの閉塞空間なので「胎内感覚を愉しめる」人でないと長期生活するのは困難かも。
【この時の台所の寒暖計、氷点下4度、外気 氷点下11度以下 】
【この時のダンボールハウスが設置してある四畳半 室温0.9度、ハウス内 18度 湿度 30%、内外温度差17度】