2011年10月27日木曜日

アレンビックのハンドメイド・ピックアップ

アレンビックのコピーモデルを作ることになり河合楽器製作所から依頼を受けた。
ブリッジ側マイク、ネック側マイク、ノイズキャンセル用ダミーコイルの3個で1セット。
はじめは出荷台数がとても少なかったので、これを本家と同様に完全手作りで再現。
まず、オリジナルからアクリルで原型の複製を作り、これからシリコンで雌型を作成。
シリコン型は真空ポンプでしっかり気泡抜きをして作らないと、2〜3回使っただけで型内部表面に近い気泡が薄い幕を破って使えなくなる。
できた雌型の中に剥離剤をスプレーし、コイルとマグネットをアッセンブルしたものを吊り下げ底面から1.5mm浮いたところで固定。
ここに2液性のレジンを混合し充填。レジンも攪拌する時極力泡を作らないように注意。
しばしの発熱の後固化。
型から取り出した後ピックアップの表面の剥離剤を工業用エタノールで拭き取り、つや消しクリア塗装し完成。
この製作テクニックは後にKAWAIオリジナルベースギターを作るときにも転用できたのでした。
備品:ビーカー、温度計、精密天秤はかり、真空ポンプ、真空デシケーター、ビニール製の隔離囲い.
この時ばかりは部屋が理科の実験室みたいになったです。
 

4 件のコメント:

  1. はじめまして。アレンビックのPUについてネットサーフィンしていたところこちらのページを見つけ拝見させて頂きました。お伺いしたいのですがフェルナンデスのアレンビックコピーモデル用ピックアップを当時製作されたご本人様なのでしょうか?

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  2. 40年前に、私が作っていました。
    (記憶の彼方ですが . . . )

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    1. ご返答ありがとうございます。当方、FAB-170を所有しているのですがフロントPUに異常?がありまして弦から手を離すと「ブー」という感じの大きなノイズが出てしまうのです。。。楽器店で調べてもらったところピックアップの断線と言われてしまったのですがそういうものなのでしょうか。実際の出音はきちんとしていてリアPUより出力は大きいくらいなのですが。この問題について何か情報をお持ちでしたらアドバイス頂ければ非常にありがたいです。どうしたものか困っているのでどうか宜しくお願い致します。

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    2. どもども。
      楽器屋さんで、フロントピックアップの断線と判断された・・・
      ということは、フロントピックアップ側のボリュームを下げると手を離しての「ブー」音
      がしなくなったんですね、きっと。
      しかし、弦から発する振動は電気信号として出ている。
      ここに楽器屋さんの判断の矛盾があります。
      予想される問題点:
      このピックアップは、おぼろげな記憶ですが ピックアップ・コイルを薄いアルミ箔シー
      トで覆い、アルミ専用ハンダでシールド線にはんだ付けしているはずです。
      ここで、問題になるのはアルミハンダ箇所の経年劣化です。
      半田浮きでシールドが剥離てしまった。
      ここが原因かの判断方法ですが、フロントピックアップを引っ張り出し、クッキング用ア
      ルミホイルで覆い、ホイルを電気的にプラグ・ジャックのグランドと接触させる。
      これで、「ブー」症状が改善されれば、ピックアップ・コイルのアルミハンダ部分の経年
      劣化が原因であったと考えられます。
      コイル自体のアルミハンダ部分の接触不良が原因でであったなら、次善策として フロン
      トピックアップ表面に 3M スプレーのりのようなもの使ってアルミ・ホイルをぴっちり
      キレイに覆い、そのアルミを電線に圧着固定させ基盤のグランド経路にはんだ付けする。
      このままでは、ピックアップがメタリックなので違和感があれば、黒のツヤ消し塗装を
      する。
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      上記が原因でなかった場合は単純にシグナル・グランド経路の半田浮きが考えられます。
      一見つながっているように見えても、電気的には接触不良ということがあります。
      その場合 基盤からはじまり ひと通りシグナル・グランドの再ハンダをしてみて下さい。
      いま考えられるのは、そんなところです。
      ではでは。

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